先日、大学生向けiPadノートアプリ「Uni:Note」が累計1万ダウンロードを突破したことをきっかけに、初めてPR TIMESでプレスリリースを配信しました。
配信料金は33,000円。
個人開発者にとって、3万円は「とりあえず試してみよう」と何度も気軽に出せる金額でもありません。
「プレスリリースを出すと、本当にダウンロードは増えるのか?」
「メディアに取り上げてもらえることはあるのか?」
「そもそも33,000円の価値はあるのか?」
公開から5日ほど経ち、アクセスもほぼ落ち着いたので、実際に何が起きたのかをまとめておきます。
結論:ダウンロード数は特に変わらなかった
まず一番気になるところですが、Uni:Noteのダウンロード数に目立った変化はありませんでした。
これは配信前にいろいろ調べていた時点で、ある程度予想していた結果でもあります。
PR TIMESは広告ではないので、掲載しただけで一般ユーザーが大量にApp Storeへ流れてくるようなものではありません。
少なくとも今回のUni:Noteでは、
「プレスリリースを出したら翌日からダウンロードが急増!」
みたいなことはありませんでした。
普段のダウンロード数と比べても、特段大きな変化はなし。
BtoCアプリの直接的なダウンロード獲得手段として考えると、今回については効果があったとは言えなさそうです。
PR TIMESの記事は5日ほどでほぼ見られなくなった
ここは実際に出してみて、かなり分かりやすかった部分です。
記事へのアクセスは公開直後に一気に集まりました。
初日にかなりの割合が集中し、2日目には大きく減少。
その後も新しいプレスリリースが次々に公開されるため、当然ながらどんどん埋もれていきます。
そして公開から5日ほど経った現在、累計PVは500にも届いていません。
前日のPVはわずか2。
つまり、5日ほどで新規アクセスはほぼゼロに近い状態になりました。
もちろん今後、Google検索などから多少読まれることはあると思います。
ただ、PR TIMES内で新着記事として露出していることによるアクセスは、実質的には公開直後の1〜2日がほとんどだったように見えます。
「一度掲載すれば、しばらく継続的に読まれる」というものではありませんでした。
少なくとも今回については、
公開直後に一気に露出する → 2日目から急減 → 5日程度でほぼ終了
という、かなり短期決戦型の動きでした。
これは次回またPR TIMESを利用するなら覚えておきたいところです。
BtoBの営業はかなり早かった
一方で、反応が非常に早かったのが企業からの営業です。
公開したその日のうちから、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティング、動画制作など、いくつかの営業連絡をいただきました。
その後も何件か連絡があり、中にはUni:Noteについてかなり詳しく調べたうえで、具体的な提案をしてくれた企業もありました。
大学生に特化したプロモーションなど、Uni:Noteとかなり相性が良さそうなサービスもあり、営業内容そのものはなかなか興味深かったです。
ただし、当然ながら利用するにはこちらから費用を支払う必要があります。
個人開発者にはなかなか厳しい金額のものも多く、今回は断念。
紹介してもらえたらうれしいなと思ってプレスリリースを出したら、逆にこちらがお金を使う提案がたくさん来たというのは、ちょっと面白い結果でした。
BtoCや取材については?
プレスリリースを出す以上、
「ワンチャンどこかのメディアが面白がってくれたりしないかな」
くらいには思っていました。
まあ、当然ながらありませんでした。
一般ユーザーからPR TIMES経由と思われる反応が来るようなことも特になし。
少なくとも今回については、PR TIMESに掲載したこと自体から一般ユーザーの反応や取材につながるようなことはありませんでした。
一方で、30媒体近くに転載された
ここは事前に想像していたより面白い結果でした。
PR TIMESには提携オンラインメディアへの転載ネットワークがあり、今回のプレスリリースも30件近い媒体に掲載されました。
もちろん、各媒体の編集部がUni:Noteを見つけて取材し、独自の記事を書いてくれたわけではありません。
あくまでプレスリリースの転載です。
それでも一度配信したことで、PR TIMESだけでなく、複数のWebメディア上にUni:Noteについて書かれたページが一気に作られました。
さらにPR TIMESの提携媒体以外にも、プレスリリースを独自に収集・転載しているサイトがあり、そちらにも掲載されていました。
PR TIMESの記事自体は5日ほどでほぼアクセスが止まりましたが、記事そのものや転載されたページはWeb上に残ります。
ここは単純なPVだけでは測れない部分で、プレスリリース配信サービスならではの効果だと思います。
一番大きかったのはGoogle検索かもしれない
そして今回、最も分かりやすく変化したのがGoogle検索でした。
それまでWeb上に存在するUni:Noteについての記事は、基本的に自分で書いたものだけでした。
当然、「Uni:Note」で検索しても出てくる情報は限られています。
ところが今回PR TIMESで配信したことで、PR TIMES本体の記事に加えて複数の転載ページが一気に増えました。
そして配信後に「Uni:Note」でGoogle検索してみると、今回のプレスリリースが検索結果のトップ付近に表示されるようになりました。
ダウンロード数には特に変化がありませんでしたが、
「Uni:Note」と検索したときに、自分のWebサイト以外にもUni:Noteについて書かれたページが出てくるようになった。
これは今回、かなり明確に得られた効果です。
また、広告は出稿を止めれば基本的に露出も止まりますが、今回作られた記事はそのままWeb上に残ります。
PR TIMES内でのアクセスは5日ほどでほぼ止まりましたが、Google検索から見つけてもらうためのページとしては、ここからがスタートとも考えられます。
数か月後、あるいはもっと先にUni:Noteを検索した人が目にする可能性もあります。
この部分については、公開から5日ではまだ評価できません。
今後も記事が検索結果に残ることで、何か長期的な効果が出てくるのか。
ここはしばらく様子を見てみたいと思います。
33,000円は安かった?高かった?
正直なところ、まだよく分かりません。
33,000円を「アプリのダウンロードを増やすための広告費」として考えるなら、今回の結果では高かったと思います。
ダウンロード数には目立った変化がなく、PR TIMESの記事自体も5日ほどでほぼ読まれなくなりました。
累計500PV未満と考えると、単純にPVを買うために33,000円を払うものではないことは明らかです。
一方で、
- PR TIMES上にUni:Noteの記事が残った
- 30媒体近くに転載された
- Google検索上にUni:Noteについてのページが一気に増えた
- 「Uni:Note」で検索した際にプレスリリースが上位付近に出るようになった
- 企業などにUni:Noteの存在を知ってもらうきっかけにはなった
と考えると、広報や検索上の資産を作るための33,000円としては、それほど高くないような気もします。
だから、
安かったのか?
高かったのか?
今のところ、よく分かりません。
ただ、今回実際に使ったことで、
「PR TIMESに出せばアプリのダウンロードが増える」
というものではないことはよく分かりました。
そしてもう一つ、
「PR TIMESの記事そのものが長期間たくさん読まれる」
というものでもありませんでした。
少なくとも今回の場合、アクセスの賞味期限はかなり短く、5日ほどでほぼゼロになりました。
その一方で、転載によって複数のWebサイトに記事が残り、Google検索にも変化が出ました。
もしかするとPR TIMESの価値は、配信直後のPVそのものよりも、一度の配信でWeb上に情報を広げて、そのページを残せることにあるのかもしれません。
初めて使った33,000円としては、なかなか面白い実験でした。
今回作られた記事が半年後、1年後にも検索結果に残っているのか。
そして、そこから何か新しい効果が生まれるのか。
また時間が経ったころに振り返ってみようと思います。